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なぜ高齢者の爪トラブルは放置されてしまう?

本記事では、高齢者の爪トラブルがいかに見逃され、軽視されているものか。なぜ対応が遅れてしまうのか。高齢者にとっての足の爪の重要性とは?といったことを明らかにしていきます。

高齢者の爪トラブルが見逃されてしまう闇9選

高齢者の爪トラブルが見逃されてしまう背景には実はいくつもの要因が隠れています。

 

カラダの感覚が鈍くなる

高齢になると、カラダの感覚が鈍くなってくることは報告されています。血流も悪くなっていたり、糖尿病をはじめとする病気がある背景からも、足や足先の感覚が鈍くなってきますので、爪が食い込んで痛みが出ていたとしても「足が痛い」という表現になり、”あいまいな痛み”として表現されてしまいます。「足が痛い」ということで整形外科に通院して、レントゲンを撮ってみたけど問題がないから、湿布と痛み止めで様子を見てというのは介護業界あるあるです。実は、爪が食い込んでいることで痛みが発生していたため、フットケアをしたことで痛みが一瞬で消失したという事例は珍しくありません。

左の写真は爪が下方に折れ曲がり、第1趾の指先に爪が食い込んで痛みがある状態です。右の写真は特殊なマシンで肥厚した分厚い爪を研磨し、爪を切除した後の写真です。赤丸で囲ったところに、爪が食い込んだ跡形が浮き上がっているのがおわかりいただけると思います。これが前述した、「足が痛い」と訴えられている方の実例となります。

 

腰や股関節、膝が悪い

高齢になると、腰が痛い、股関節や膝が痛いという整形外科的な痛みに悩まされている方がほとんどです。こうなれば、腰をかがめて足の爪を自分で切っていた方も、切れなくなり、自分の足先のケアができなくなってしまいます。これが、まずは爪トラブルの発見が遅くなってしまう要因となっています。

 

目が悪い

これも腰や膝と同様に、70代、80代の方の約70%が白内障を患っておられるというデータがあるように、足先を鮮明に捉えるということが難しくなってくるのが高齢者の特徴です。さらに、白内障に加えて緑内障になる方も、70代以上では10%と、10人に1人は緑内障も患っておられるというデータもあるほど、目の病気があることで足先の状態をしっかり捉えることができていない方は多数いらっしゃいます。

 

親の足を見ることはない

自分の親の爪の状態を確認したことはありますか?介護施設にて出張ケアをさせていただいた際、ほとんどの家族様が「初めて親の足の爪を見ました。こんなにもひどくなっていたなんて…」と、おっしゃいます。それほど、まだまだ日本では【足の爪】や【足先、足裏】がいかに重要かが浸透していません。

 

裸を見られるのと同様に抵抗がある

日本では「〇〇さんに足を向けて寝れない」「足を人前で組むな」など、文化的な背景から、足を他人に見られる、足を見せるということは深層心理として「恥ずかしいもの」という心理が根付いています。こうした背景からも、足のトラブルが見逃されやすい要因となっています。

 

リハビリ専門職でも足の爪まで確認している人は数少ない

理学療法士を始めとするリハビリ職は、「歩くことができるように」と、関節可動域を広げたり、痛みを取ったり、筋力を強化したりと運動療法をしていますが、必ず足の爪を確認するという習慣をもった理学療法士はほぼ存在しません。また、理学療法士が確認したいという意思をもっていても、患者様となる方が上記のような羞恥心を理由に見せていただけないということも背景には含まれていますので、足の爪トラブルが見逃されやすい要因となっています。

 

高齢者の爪トラブルは当たり前という常識化

介護士や看護師は仕事として入浴介助や爪切り場面がありますので、高齢者の足の爪トラブルを一番把握している職種です。しかし、それらが爪トラブルへの対処に繋がりにくい要因には、【爪トラブルが無い高齢者がいないというほど爪トラブルを抱える高齢者は多数であるため、それらが常識化している】という実態があります。
これは実話ですが、ある訪問看護ステーションに勤める看護師さんへフットケアの研修をさせていただいた際、「こんな爪の人は普通ですよ?これらを爪トラブルと捉えるとなると全員ということになりますので、そんなの対応できません」と言った方もいらしたほどです。それぐらい、介護、看護の業界ではある意味【見慣れた光景】すぎて、それらを異常・問題・対応しなければならないものとは考えないことから、対応が遅れてしまいます。

介護施設では通常の爪切りしか対応ができない

肥厚した爪を発見し、トラブルを防ぎたいと対応をしようとしても、介護施設や訪問看護で対応できる範囲というのは限られています。まず、爪切り専用のニッパーを使ったことがないという方が多い現状であるため、肥厚した爪を家庭用の爪切りで対応することは困難です。また、肥厚した爪は横に、上に伸びて盛り上がってきますので、爪切りで切るというよりは、ヤスリで削るという対応が精一杯だと思われます。それ以上の対応をしようと思うと、病院やフットケアサロンへ通うしかありませんが、介護施設に入居されている方がどこかに通うとなれば、施設職員での対応はできないというのが一般的です。ご家族様がいらっしゃる場合、ご家族様にお願いして通っていただかないといけないため、かなりの労力が必要となり、放置されてしまいます。

 

病院やフットケアサロンに通うということに対するわずらわしさがある

介護施設でも、訪問看護でも、デイサービスでも、爪のトラブルについては専門的な施術ができないため、皮膚科や形成外科、もしくはフットケアサロンに通わざるをえません。ただ、高齢者の場合自分で通うということが困難であり、第三者の手を借りないと外出できない方がいるのも事実です。このような背景から、「そこまでしなくてももういいや」となってしまい、放置されている現状があります。


高齢者にとっての足爪、足裏の重要性

お体はまだまだ元気で、歩く能力も、筋力もあるのにも関わらず、足爪や足裏に問題(痛み)があることで歩くことを億劫と感じ、どんどん歩かなくなり、歩行能力が低下していく方が一定数いらっしゃいます。
足は唯一地面に接地する場所であり、カラダの土台となる部分です。土台がグラつけば、不安定になることには説明は不要だと思いますが、高齢者ではそのような現状が起こっているわけです。
足爪が食い込んでの痛みも、魚の目の痛みも、刺すような鋭い痛みなので少しでも地面に足をつけて踏ん張った瞬間、鋭い強い痛みを感じるのが特徴です。
ただでさえ、運動量が減ってしまう高齢者において、足先や足裏に痛みがあれば歩くことを止めてしまうことは容易に想像できます。これほど重要な【足】の重要性を是非見直していただきたいです。


ドクターネイル爪革命Sieg大阪中央店は出張可能

ドクターネイル爪革命Sieg大阪中央店は、訪問介護や訪問看護を展開する介護事業所を母体とする会社が経営しております。介護を母体とする会社だからこそ、高齢者の爪の問題がいかに複雑で、深刻で、かつ対応が遅れているかということをよく知っています。前述したように、高齢者にとっての足の爪、足裏というのは非常に重要性が高い場所となり、ここのトラブルが無くなることで1日でも長く、自分の足で歩いていただくことが実現します。
この記事を見てくださっている、介護関係者の皆様。高齢者の親をもつ、お子様。足の痛みに悩んでおられるそこのあなた。
私たちはフットケアのプロ集団として、一人でも多くの足の健康維持・増進をしたいと活動しております。
フットケアサロンは大阪の谷町九丁目にありますが、大阪府内全域出張もしておりますので、お気軽にご相談いただけますと幸いです。

↑介護施設への出張施術風景

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この記事を書いた専門家

ドクターネイル爪革命Sieg大阪中央
院長 文野ともみ

プロフィール
●シックネイルケアセラピスト®
●シックネイルケアセラピスト®養成校認定講師
●介護福祉士
●ケアビューティスト

2024.09.05